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吉田 亨次*; 井上 拓也*; 鳥越 基克*; 山田 武*; 柴田 薫; 山口 敏男*
Journal of Chemical Physics, 149(12), p.124502_1 - 124502_10, 2018/09
被引用回数:4 パーセンタイル:17.83(Chemistry, Physical)異なる幾つかの、グリシン濃度, pH、および充填率(=グリシン溶液の質量/MCM-41の乾燥質量))をパラメーターとして、メソポーラスシリカ(MCM-41)に閉じ込められたグリシン水溶液の示差走査熱量測定、X線回折および準弾性中性子散乱(QENS)を305-180Kの温度範囲で実施して、グリシン水溶液の熱的挙動, 構造、および動的特性に対する閉じ込め効果を検討した。
芳賀 芳範
高圧力の科学と技術, 14(4), p.353 - 357, 2004/11
強相関電子系化合物が高圧下で示す特異な物性が注目されている。2GPaを超える超高圧領域では、圧力セル内の試料空間が狭くなるために、物性測定手段としては電気抵抗が主として用いられている。本解説では、相転移の議論に不可欠な比熱の測定方法を、筆者の最近の実験をはじめ、内外の研究を紹介しながらレビューする。
天谷 政樹*; 宇根 勝巳*; 湊 和生
Journal of Nuclear Materials, 294(1-2), p.1 - 7, 2001/04
被引用回数:12 パーセンタイル:64.73(Materials Science, Multidisciplinary)未照射及び照射済UOペレット試料の比熱容量を測定した。ペレットの高温比熱容量データは、定常運転時の燃料温度変化や事故時の燃料温度評価を行ううえで、不可欠な物性値の一つである。本測定技術により未照射アルミナ及び未照射UO試料の比熱容量を測定し、文献値と比較した結果、測定精確度は約5%と見積もられた。JRR-3M炉で焼度約40GWd/tまで照射した微小UO試料の比熱容量について測定を行った結果、2回目以降の測定値は、模擬FP添加ペレットの値とほぼ一致した。
小山 昇*; 大坂 武男*; 波戸崎 修*; 倉沢 祐子*; 山本 信重*; 笠原 誠司*; 今井 祐子*; 大山 幸夫; 中村 知夫; 柴田 徳思*; et al.
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 63(9), p.2659 - 2664, 1990/09
被引用回数:1 パーセンタイル:15.74(Chemistry, Multidisciplinary)原研核融合炉物理研究室と東京農工大のチームとで行ってきた常温核融合研究の成果の一つとして、重水電解時における発生熱量の精密測定に関して農工大チームがおこなってきた結果の報告である。実験結果は、重水素ガスと酸素の再結合では説明のできない過剰熱を示したが、常温核融合に関連する中性子・ガンマ線・トリチウム・ヘリウムなどの生成を確認することはできなかった。
岩田 忠夫
Journal of Nuclear Materials, 133-134, p.361 - 364, 1985/00
被引用回数:52 パーセンタイル:97.32(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉材料としての黒鉛は、真空壁及びブランケットの一部として、種々の条件下で中性子を照射されて損傷を起こす。黒鉛の照射損傷における最も顕著な現象は、200C附近で起こる多量の蓄積エネルギー放出、即ちWingner Energy Releaseである。この現象の解明は、黒鉛の照射損傷全体のメカニズムを考えるときの出発点となる重要なものである。しかし、蓄積エネルギー放出スペクトルは、その温度幅が非常に広く、単一の活性化過程としては解析できず、複雑不可解とされてきた。本研究では、110~610n/cmの中性子照射をした黒鉛について蓄積エネルギー放出スペクトルを測定し、このスペクトルが照射温度に依存して3or4個のピークに分かれることを明らかにした。このスペクトルの測定を1~100C/minの範囲内の7種の昇温速度に対して行い、スペクトルの温度シフトより各ピークの反応のkineticsを確定した。
下斗米 道夫*; 岩田 忠夫; 堂山 昌男*
Philos.Mag.Lett., 51(4), p.L49 - L53, 1985/00
単結晶NiAl合金に1400Cからの急冷によって空孔し、示差走査熱量測定により空孔の熱的挙動を調べた。320C及び480Cに中心がある二つのピークが見出された。それぞれの反応次数、活性化エネルギー及び振動数因子を求め、議論した。
柳原 敏; 星 蔦雄; 塩沢 周策
JAERI-M 8457, 36 Pages, 1979/10
NSRR実験において、試験燃料の発熱量と炉心積分出力の対応は線スペクトロメトリ法による核分裂生成物の定量により求められているが、核計算による評価値と比較して15%程高い。このため、線スペクトロメトリ法による評価方法の妥当性の確認が望まれていた。そこで、NSRR実験カプセル内にカロリメータを挿入してパルス照射し、試験燃料の発熱量の直接測定を試みた。本測定の結果、炉心積分出力に対する試験燃料の発熱量は4.52cal/g・UO/MW・Sであり、この値はこれまでの値4.36cal/g・UO/MW・Sと極めて良い一致をみた。本実験により、線スペクトロメトリ法による測定結果の妥当性の確認ができた。
岩田 忠夫
放射線, 5(2), p.51 - 61, 1978/02
核融合炉材料等の中性子照射損傷をシミュレートするために重イオン照射が行われている。本報では、このシミュレーションの研究の中心的な事柄について、現状を紹介し、問題点をあげると共に、有力な実験手段としての熱量測定法について考察した。
紀室 辰伍*; 桐島 陽*; 秋山 大輔*; 佐藤 修彰*; 長尾 誠也*; 斎藤 拓巳*; 天野 由記; 宮川 和也
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物から溶出した放射性核種が地下水中の天然有機物の一種である腐植物質と錯生成することで、放射性核種の移行が促進される可能性が指摘されており、腐植物質と金属イオンの錯生成を定量的に記述する試みがなされてきた。腐植物質は、組成不均質性を持つ高分子電解質であり、その性質は起源や履歴によって大きく異なる。しかしながら、実際の深部地下水中に溶存している腐植物質を用いた研究は限られている。本研究ではこれまでに、北海道幌延町の深度350m地下水中に溶存している腐植物質を抽出し、熱量滴定法により、幌延腐植物質のプロトン化反応における反応機構を調べてきている。本発表では、サイズ分画クロマトグラフィ(SEC法)およびフロー・フィールド・フロー・フラクショネーション法(Fl-FFF法)により、腐植物質の分子量および流体力学径を新たに取得し、単純有機物やIHSSの標準腐植物質のそれらの結果と比較した。その結果、幌延の腐植物質は、IHSSの標準腐植物質より小さな分子量、流体力学径、プロトン化エンタルピーを持つことが明らかになった。このことから、幌延の腐植物質は、表層の腐植物質に見られるような複雑な組成不均質性を持たない、より単純な構造を持ち、その反応メカニズムもより単純であることが分かった。
紀室 辰伍; 寺島 元基; 舘 幸男; 北辻 章浩; 宮川 和也; 秋山 大輔*; 佐藤 修彰*; 桐島 陽*
no journal, ,
深部地下環境中に存在する天然有機物の一種であるフミン酸は、錯生成能が高く放射性核種などの金属イオンの環境中での移行挙動に影響を与えると考えられている。しかし、その錯生成反応機構については知見が不十分であり、特に反応の熱力学を議論するために不可欠な反応エンタルピーやエントロピーは、平衡定数から推定されるに留まっていた。本研究では、北海道幌延町の深度350m地下水に溶存しているフミン酸を抽出し、プロトン化反応と銅(II)イオン、ウラニル(VI)イオンとの錯生成反応における反応熱力学量を、熱量滴定法を用いて直接決定した。得られた結果を典型的なフミン酸や構造既知の有機酸と比較し、幌延深部地下水中のフミン酸の特徴的な反応機構を明らかにした。さらに、得られた反応熱力学量を用いて熱力学平衡計算を行い、放射性核種の移行挙動に及ぼすフミン酸の影響を評価した。